待て!

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言いたいことは色々あるが、まともに話すことすら面倒だ。 金を渡したら帰ってくれるのなら、渡してしまおうと思った。 「いくら必要? 今、手元にはそんなにないけど、とりあえずこのくらいなら」 財布の中に、たまたま少し多めに入っていたので、俺は数万円を母に渡した。 すると、それを受け取った母は……。 「ありがとう。でも、しばらく暮らしていく分のお金が必要なのよ。これだと、ちょっと足りないわ」 「……どのくらい足りないの?」 「あと百万円は欲しいわ」 「……そんなには渡せないよ」 渡したいとも、思えなかった。
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