待て!

17/34
前へ
/192ページ
次へ
昨夜、あの後大丈夫だったか気にしてくれているのだろう。メッセージもくれていたのに、俺は返信をしていなかった……。 「おはよう、城矢。昨日はごめんな……」 「ううん、全然。……あの後、お母さん大丈夫だった?」 「ああ、大丈夫! 少し話した後、すぐホテルに行ったから」 母がすぐにホテルに行ったのは本当だ。城矢に嘘は吐きたくないが、家庭の問題を恋人にどこまで話すべきか、よく分からなかった。 それに…… 両親の離婚の原因が俺にあったことを知って落ち込んでる、なんて…… 他の人にならともかく、城矢に知られるのは怖かった。 だから、いつも通り振る舞おうと決めた。もし自分だけではどうにも出来なくなったら、その時は城矢に甘えさせてもらいたい。 ギリギリまでは、自分で考えよう。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1179人が本棚に入れています
本棚に追加