待て!

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そして、落ち着いた声色でゆっくりとこう話していく。 「ナナちゃんの実家の事情は俺には分からない。だけど、離婚の原因はナナちゃんのお母さんがそう言ってるだけで、実際は別の原因があったかもしれないよね?」 「別の原因……?」 「もし……もし本当に、ナナちゃんがポメガであることが離婚の原因だったとしても、それはナナちゃんは悪くないよ。ナナちゃんのせいじゃない」 「でも……怖い」 「怖い……? 何が怖い?」 「……」 離婚の原因が俺にあるとしたら、両親には本当に申し訳ないと思う。それは嘘じゃない。 でも、今の俺には両親以上に大切な存在(城矢)がいて、城矢を失ってしまうことが何より怖い。 「城矢のことも、俺がポメガであるせいでいつか不幸にしたらと思うと、凄く怖い……」
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