くーん

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俺と城矢がそんな言い合いをしていることには気付かず、橘さん、浅間さん、山村さんは「お疲れ様ー」と挨拶してから、それぞれの帰宅方向へと散っていく。 「じゃあ城矢君、私達も行こっか」 俺と城矢の間に立った沢田さんが、笑顔で城矢にそう言った。酔いは、少し醒めているように見える。 「甲斐君も確か方面同じだよね? 途中まで一緒に行こ」 沢田さんはそう言ってくれたものの、俺はほぼ咄嗟に、 「い、いえ、俺はそこの本屋に寄っていくので、ここで失礼します……」 と嘘を吐いた。
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