くーん

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ーー… そのまま真っ直ぐ帰宅し、とりあえずリビングに荷物を置いてから部屋の電気を点けた。 暗い空間がパッと明るくなったが、気分は重いままだった。 城矢と二人きりの飲み会を楽しみにしていたのは事実だけれど、今こんな気持ちになっているのは、城矢との約束がなくなったから……ではない気がする。 多分、城矢が沢田さんを送り届けることを優先したことにモヤモヤしている……のだと思う。 別にいいじゃないか、そのくらい。城矢はその後で俺との約束も守ろうとしてくれたのだし。 少なくとも、俺がこんな風にモヤモヤする理由なんてない。 とりあえず、この件については考えないようにしよう。 ……そうは思うのに、どうしても頭から離れないーー城矢のことが。 恐らく今頃は沢田さんを家まで送り届けて、もしかしたらそのまま……?童貞の俺にはそんな流れは考えられないが、城矢も沢田さんも恋愛経験豊富そうだし、そのくらいの展開はありえそう。 しかも、勝手なイメージだけど城矢ってそういうの、上手そう……。 慣れてそう、という表現は言い方が悪いかもしれないが、女性の気持ちはしっかり理解していそうだ。 きっと、女性の嫌がることなんか一つもせず、それどころか心も身体も満たしてあげるんだろうーー 「え……」 ヤバい。 そんなことを考えていたらーーまさかの、勃ってしまった⁉︎
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