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「え?」
「でも、頼まれたんだ。三分でいいから恋人のフリをしてほしいって」
「⁇」
話が読めない。一体、どういうことなのだろう。
城矢は俺の身体を撫でながら話を続ける。
「沢田さんがこの間まで付き合っていたらしい元カレさんが働いてる、深夜まで営業してる喫茶店へ行ってきたんだ。五股してた最低な元カレの前で、〝アンタよりかっこいい彼氏が出来た〟って見栄を張りたいって頼まれてさ。かっこいい彼氏っていうのは恐縮だけど……」
「え、え?」
「誰かを傷付けるための嘘じゃないから、そのくらいの嘘に付き合うのは、まあいいかなって。五股だなんて酷すぎるしね」
そう、だったのか……。
あれ?何だか急に、身体がフワフワして気持ち良くなってきた……。
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