くーん

26/42
前へ
/192ページ
次へ
「その用事が済んだら、すぐにナナちゃんと飲み直すつもりだったんだ。でも、先に約束してたのに待たせることになっちゃったのは事実だし、嫌な思いさせたよね?」 「ち、違うんだ。城矢は説明しようとしてくれてたのに、俺が逃げるように帰ったから……。俺がもっとちゃんと、お前の話を聞けば良かったんだ」 ……そもそも、城矢との約束がなくなったからって何であんなにモヤモヤした気持ちになったのか、やっぱりよく分からない。 「じゃあ……お互いに悪かったってことにしよ」 そう話す城矢の声は、とても優しい。耳にそっと響いて、身体の奥で甘く蕩けるみたいだ……。 次第に、心も身体も少しずつ気持ち良くなり、満たされていることに気付く。 幸せ……。ずっとこうしていたい……。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1178人が本棚に入れています
本棚に追加