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そうやって、今より少しでも城矢に相応しい友人になれたらいいな、なんて思ったのだ。
すると……。
「そう言えばさ、甲斐君って彼女はいるの?」
山村さんから、唐突にそんなことを尋ねられて「え?」と驚く。
「い、いえ。いませんが……」
「ほんと? 良かったら私の女友達、紹介してもいい? 甲斐君みたいな優しい男の子なら喜ばれると思うんだよねー」
「えっ⁉︎」
い、いや、それは困る‼︎人と話せるようになりたいとは思ったが、知らない女性を紹介されるのはハードルが高過ぎるし、それ以前に俺には気になる人がいて……!
しかし咄嗟のことに上手く言葉が出せないでいると、俺の背後から突然ーー。
「ナナちゃんに女の子の紹介は駄目ですよ!」
そう言って、城矢が俺の身体を後ろからギュッと抱き締めてきた。
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