もふもふ

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🌟七生side ああ、城矢には知られたくなかった。 本来は、俺がポメガだということを知る城矢になら、自分から打ち明けてでも知ってもらうべきことだったかもしれない。 だけど……発情期だなんて、俺は今セックスしたがってると話すのと同義じゃないか。 いつか打ち明ける日が来たとしても、今はまだ知られたくなかった。 しかし、もう誤魔化せないから仕方がない。 俺は覚悟を決め、発情期について城矢に順を追って説明をしていく。 「ポメガの発情期っていうのは、まあ言葉通りの意味だ。その……交尾的な行為を、したくなる期間というか……」 「えっと、交尾的な行為っていうのはセックスっていう認識で合ってる?」 「そ、そう。合ってる。ポメに変身する体質自体は生まれた時からなんだけど、発情期は中学生くらいの時から始まるんだ。薬を飲めば症状を抑えることも出来るんだけど、俺はあんまり薬が効かなくて……。発情期が来ると、家にじっと籠って症状が落ち着くのを待つしかないんだ。まさか街中で発情するわけにはいかないから」 俺の説明に、城矢は「なるほど」と答え、頷いた。 そしてーー。 「あ。じゃあ、この上着は、もしや……」 「ご、ごめん! その、正直、自分でも何で上着を借りたのかよく分からないんだ、あの時、頭がかなりボーッとしてて……」 ……あの時の自分は多分、ポメガとしての本能で動いていたんだと思う。 俺は本能で、城矢のことを求めていた……。 城矢の上着の匂いを嗅ぐと、とても安心出来た。 匂いを嗅ぐだけのつもりだった。 でも、それだけではどうしても我慢出来なくてーー遂には、自慰行為に使用してしまった。 城矢は今、どんな気持ちだろう。 気持ち悪いと思っているだろうか。不快な気持ちにさせてしまっているだろうか……。
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