わん

7/23
前へ
/192ページ
次へ
どう返答すべきなのか分からず、わたわたと困惑していると、城矢は俺の腕を掴んだままスッと立ち上がった。 百六十四センチの俺より、二十センチは高そうな城矢の身長。こうして向かい合うと自然と見上げる体勢になり、ぐぬぬと悔しさが募る。 そんなことを考えていると、城矢は困ったように笑いながら、穏やかな口調でこう言った。 「もっと仲良くなりたいって伝えたばっかりじゃん? もう少し話さない?」 「だ、だから、俺はそんな気はないって……」 「そんな冷たいこと言わないでよー。一緒に働いてる仲間なんだし!」 そう言ってーー城矢はなんと、正面から俺の身体をギュッと抱き締めてきた。 「‼︎⁉︎」
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1177人が本棚に入れています
本棚に追加