1179人が本棚に入れています
本棚に追加
不安でドキドキしているとーー城矢は正面から俺の身体を、ギュッと強く抱き締めた。
「し、城矢……？」
「何で謝ったの？ 全然良いに決まってるじゃん！ 寧ろ、役に立ったなら嬉しいよ」
「……嫌な気分にさせてないか？」
「なるわけないじゃん。……ちょっと、興奮しちゃったけど」
……嫌な気分にさせていないなら、良かった。
しかし、ホッとしたのも束の間、城矢はこんな言葉を続けた。
「でもさ、それは上着じゃなくて、俺自身でもいいってことだよね？」
「え？」
俺を抱き締める身体を少し離すと、城矢は至近距離で俺の目をじっと見つめてーー。
「上着なんかじゃなくて、俺を使って？」
「っ、え⁉︎」
それって、つまり……。
「俺の手、使ってよ」
「何、言って⁉︎」
最初のコメントを投稿しよう！