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そう思うのに、城矢は俺の頬に両手を添えて、そのまま俺の顔を自分の方にぐりんと向けてきた。
よって、強制的に視線を合わされてしまう。
視線が合った途端、自分の顔がブワッと熱くなるのを感じた。
「キスしてもいい？」
突然、城矢にそう尋ねられる。
恥ずかしさのあまり言葉を詰まらせてしまったが、嫌ではなかった。
城矢は、そんな俺の心の内なんて余裕でお見通しなのかもしれない。
城矢の唇が、ゆっくりと近付いてきて、優しく重なった。
触れた後、そっと離れていく唇。
……ついさっきまでは視線すら恥ずかしくて合わせられなかったけれど、やっぱりもう少し素直になりたいと思った。
「……城矢。今日はありがとう」
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