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とつぶやいてみるも、仕事仲間たちは何がすごいのか分かっていない。そもそも、指サックをレジ前に並べ始めたことすら、誰も気づいていないのだ。
飯田さんが来店した。今日は、見るだけじゃなかった。
「これください」
つけ回す僕を振り返って、飯田さんがおどおどと差し出してきたのは、「履歴書」だった。
「仕事、探してるんですか」
「はい。一応」
「……どんな仕事?」
「ええと……文房具のない仕事を探してます」
「文房具のない仕事。……ありますかね」
「それが、ないんです。少なくとも面接官の方、皆さん、紙とペンを持ってまして」
「そうでしょうね……」
「なので、せっかく面接まで行けたとしても、その場でお断りしてるんです。動物園にもあったので、絶望的です」
「かなり、険しい、道のりですね……」
「はあ……人はなぜ文房具がなければ、働けないのでしょうか……」
「いや、仕事のために文房具があるんですけどね……」
「ですよね……」
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