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また、エレベーターが壊れた。 クセの強いうちの会社の社員のように、エレベーターまでクセが強いらしい。 「おかしいですね・・・。 今回も特に問題がないようで。」 毎回来てくれるエレベーター会社の人が、作業着を着ながら首を傾げている。 「さっきまで、こうだったんです。」 エレベーターの扉が勝手に開いたり閉じたりを繰り返している動画を、担当の加瀬(かせ)さんに見せる。 加瀬さんが難しい顔でその動画を見て、またエレベーターの確認をしている。 その姿を、私はさっきからずっと見ていて・・・ 「・・・終わりましたら声を掛けますので。 どうぞ、お仕事に戻ってください。」 毎回こうやって見ているわたしに、加瀬さんが今回も苦笑いをしながら言ってくる。 「私は“野球部のマネージャー”らしいので・・・仕事はサポートと応援という話になっています。 野球部のグラウンドを整備するのを確認するのも私の仕事なので。」 いつもの返事に、加瀬さんが苦笑いのまま「そうですか。」と・・・ わたしはそれに笑い掛けながら・・・ 「お願いいたします。」 と・・・。
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