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5月だというのに、雨のせいか今日は少し肌寒い。
俺は、駅のロータリーに車を停めて琉星を待っている。
フロントガラスに打ちつける雨粒が、音を立て激しくなってきたようだ。
車の横を通り過ぎる人を見ると、みんな足早に通り過ぎていく。
キャップ帽を深くかぶり、黒縁眼鏡と黒いマスク。
俺の顔は、ほとんど見えないはずだ。
「おっせぇな。呼び出しておいて、遅刻かよ」
時計を見ると、夜7時を5分ほど過ぎていた。
久しぶりによく寝た昼下がり、事務所から急に打合せだと連絡が入った。
気だるく車を出して向かう途中、琉星からの電話で駅まで迎えに行くはめになってしまった。
せっかくの休みだってのに……。
ドアの窓に肘をつけ、ため息をつきながら助手席の窓を眺める。
すぐそばにあるビルの壁には巨大スクリーンがあり、映像が流れていた。
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