1.プロローグ

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「よっ!ごめん、ごめん!」 勢いよくドアを開けながら、やけに明るく声をかけられ思わず声が出た。 「おっせぇよ」 不機嫌さ全開で早く乗れよと、クイッと顎で合図をした。 びしょ濡れの傘を閉じて乗り込んできた琉星を見ると、駅からすぐのここへ来るだけで、肩や靴までずぶ濡れだ。 「悪い、遅くなって」 相変わらず、悪びれる様子もないことがいちいちムカつく。 「なにやってんだよ、人を呼びつけておいて。すぐそこなんだから、自分で行けよ」 「だって、雨がさぁ」 「いや、違うだろ?あんな賑やかそうなところから電話してきて」 横目で睨みつけて言うと、琉星は観念したように呟いた。
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