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ある日の放課後、私は隣のクラスの梨々花に呼び出されて教室へ向かった。梨々花は私にとってライバル的存在であった。大好きな宏明くんを梨々花も好きだったから。結果的に告白に成功したのは私であった。梨々花はそんな私を恨んだ顔で見ていたのを覚えている。
だが、そんな梨々花が一体私にどんな用があるのだろうか。まさか私のことを恨んで復讐しようかと企んでいるのでは…。
教室に着くと、梨々花は前の席に座っていた。おそらく、彼女の席であろう。そして、私に気がつくと彼女は席を立った。そして、
「あのさ、アンタ宏明くんと付き合えてどう?」
梨々花がそんな質問をしてきた。意外だった。私は少し返事に迷いながら、
「う、うん。嬉しかったし、前よりも楽しいよ」
と答えた。
すると梨々花はポケットから四つ葉のクローバーを取り出した。
「これ、あげる。前に見つけて拾ったんだ。これ持って幸せになりな」
私は「ありがとう」と答えて四つ葉のクローバーを受け取った。
すると、
「言っとくけど、まだアンタのこと認めたわけじゃないから」
梨々花はそう吐き捨てるように言って教室を出ていった。
私はしばらくの間立ち尽くしていた。また、あることを思い出したのだ。
四つ葉のクローバーのもう一つの花言葉、『復讐』という意味があると…。
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