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新宿区西新宿新宿署の刑事とマトリ
「…という訳で、この後のやり取りはテレグラム、ウィッカー、と言った秘匿アプリで行われます。これらは解析しようとしても情報が暗号化されているため、追跡が極めて難しいのです。更に、やり取りには暗号や絵文字が駆使されます。例えばですが、これらの絵文字が何を表すか、お分かりになる方は…」
そう言って、会議室にひしめき合う捜査員を見渡す御所を見ながら、西はマトリの人だったのか…と考えていた。
先ほど、会議室で会釈を交わしたダンディーな男は、その後捜査員に昨今の薬物の現場をレクチャーしに招聘された、厚生労働省の現役麻薬取締官、御所正之(ごしょ まさゆき)だった。
捜査会議の後、会議室に場所を変えて、対象捜査員凡そ60名が彼の講義を受けている。
薬物に関しての基礎知識は、警察学校でおおよそ学習していたが、最新の情報は今回の事件の捜査において、必須と考えた本部の計らいだった。
…さて、確かにそれは言えていた。西は、最近では薬を絵文字の隠語で…との事で、先ほどから、ホワイトボードに書かれている
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に、にらみを利かせているが、まるで分らない。
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