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「ええと…では…そちらのカーキのジャケットの方」
差されたのは、西の隣に座る北島だった。
愚かな!そんな個性的な色のジャケットなんぞ着ているからだ。
クックック…と、回避できたことに安堵しながら、改めてホワイトボードに目を移す。
ええ~…と、と言いながら北島が立ち上がり
「先ず、鼻は吸引するからコカイン、虹と紙は…わかりません。白菜みたいなのは…野菜?…だから…大麻!カプセル、試験管、壺は…わかりません。キノコはマジックマッシュルーム、注射器は覚醒剤か注射器そのものか…だと考えます」
あ~…なるほどなあ…うんうん、そうか、と北島の答えに密かに感心する。
「自転車…これはわかりません。かき氷…?あ!アイス!覚醒剤です」
「はい、お疲れさまでした。お答えになったものは全て正解です。半分近くお分かりでしたね。では、わからなかったものを解説させていただきます」
よっしゃ、と小さくガッツポーズを決める北島に、まあ俺たちの知識だとこんなもんだよな、と頷く。
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