死神の歌舞伎町

新宿区歌舞伎町ホストクラブナイト騎士(ナイト)の貸金業者

「先ず、大事なのは掛けを飛ばれないための対策です。身分証確認と覚書は必須となりますが…」

杏子はオープン前の店内に集まった、総勢４0名のホストを前にホワイトボードの前に立ちながら、書いた文字を指す。

営業時のムーディなダウンライトとは違い、蛍光灯で白々と照らされた店内は、ホスト達の肌荒れや、髪の痛みを残酷に協調している。

(売れてる、売れてないがこういうところでわかるなあ…)

売れているホストは肌や髪の手入れも行き届き、ブランドのロゴが協調されたスエットやパーカーをカジュアルに着こなしているが、金のないホストは先の状態という事だ。

肌の荒れは酒の飲み過ぎによる内臓の不調によるものだろう。