死神の歌舞伎町

新宿区歌舞伎町ホストクラブナイト騎士(ナイト)の貸金業者

「私は普段、皆さんのお客様に個人貸金としてお金をお貸しして、掛けをお支払いいただくというフローで営業させていただいてますが、最低限この手の書類が揃ってない場合は即お断りします。それは偏に飛ばれるからです。回収できない債権は持てません」

そのうえで…と続ける

「保険証や免許証が多いと思いますが、皆さんご存じの通り、これらは偽造がかなりの数歌舞伎町で出回ってますので、注意が必要です」

言って、一枚の免許証を取り出すと、後ろから小型のペンライトで光を当てる。

「基本、光を当てると内臓されたICチップが反射します。ここまで確認すれば先ず問題ないかと。あと肝心なのは住所の確認ですが、覚書には実家住所を書く欄がありますよね、自宅住所もなんですが、マンション名、部屋番号を書かない場合、必ず一軒家か確認してください。そして…」

赤マジックでGoogleアースと書く。

「一軒家だと言った場合は、Googleアースですぐ自宅周辺を検索し、周辺に何があるか聞いてみてください。ここで嘘をついている場合、飛ぶ可能性は強いです」

はあ～、と納得のため息が漏れる。

「そして、実家電話番号です。これは昨今、固定電話のないところが多く、親御さんの携帯番号を書くと思うのですが、必ず登録番号の名前が、お母さんやママ、パパになっているかも見て、可能そうでしたらそこに本人いる前で掛けて見て下さい。これ、番号全然違う人だったって事が良くあります。その場合掛け飛びの常習犯ですから出禁にした方がいいですね」

また、身分証明書、覚書、ともに担当本人が写メで画像を残すことも必須と続ける。

ふう～ん…、あ～、とまたまた納得の声。

「これらをふまえて最後に…」

動画！

と大きく強調して書く。