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空は黒々と蠢くもので覆い尽くされていた。こんな空は見たことがない。ゆっくりと波打つように見える空を凝視していると、空が段々と下がってきていた。どんどんと空の青が黒に侵食されていく。
その光景をじっと見つめていたら、黒い空からポロポロと何かがこぼれ落ちていた。目を凝らしてそれを見つめる。こぼれ落ちた何かは、空を侵食する黒い塊よりも少しだけ早く落ちて、まるで空に小さなシミができているようだった。
黒いシミと黒い塊はゆっくりと、しかし確実に僕たちに迫って来ていた。今までに経験したことのない出来事に、僕は何もかもを忘れて、呆然と空を見上げる。
その間にも空はどんどんと黒に変わっていき、はじめに聞いたざわざわという音も次第にその音を大きくしていく。
最早、耳を塞ぎたくなるような大騒音が辺りに響き出した頃、ようやく僕は黒く蠢くものの正体を視認した。
数字だ。
空を埋め尽くす黒は全て数字だ。研究チームの予測通り、大量の数字が空から落ちてきている。まるで数字の襲来だ。
これだけの数の数字が落ちてくれば、誰もが高スコア保持者になれるのではないか。そんなことが一瞬頭を過ったが、次第に僕は眉を顰めることになった。
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