落ちてきた数字

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 数字の襲来があってから一日が過ぎた。  数字の襲来以外にも事前警告の通り、太陽フレアにより、磁場の歪みからか町の至る所で異常事態が起きていたようだが、それは、懸念していた事態よりもずっと小規模なもので、取るに足らない事ばかりだった。  それより何より、やはり最大の異常事態は、数字の襲来だった。  まさしく襲うという表現がしっくりとくるほどに、大群で空から落ちてきた数字たちは、互いに押し合いへし合いを繰り返していた。その間、家はミシミシと軋み続け、今にも家ごと押し潰されてしまうのではないかと感じた。  タモで一網打尽にしてやろうなんて考えは、微塵も浮かばないくらい僕は自身の身を守ることに必死だった。  襲来からしばらく経つと、数字たちの押し合いも収束したのか家は軋まなくなり、窓に張り付くようにしていた数字の一部も剥がれていなくなった。窓から外が見渡せるようになり、そっと覗くと、数字たちはより開けた場所を求めるかのように、隊列を組んでどこかへ向かって浮遊していった。  襲来から24時間が過ぎた頃には、家の周りには巨大数字は愚か、いつも見かける通常サイズの数字すらどこにも漂っていなかった。
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