落ちてきた数字

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 大学のランクは意味をなさなくなった。国の方針に従って、突然、学歴社会はスコア社会となった。  研究によると、超人的能力の開花にはスコアが十万を超える必要があるが、そのラインに達していなくてもスコア保持者であれば、誰でも突出した能力が1つはあるらしい。  そのスコアを重視するようになった社会は、完全な能力重視社会となり、これまで社会の底辺で燻っていた大卒者以外の者たちが、その能力を見せつけるかの如く台頭してきた。これまでの学歴社会であれば、社会のトップは軒並み大卒者が占め、我が物顔で街中を闊歩することができたが、完全能力重視社会になり、その立場は逆転することになった。  能力があれば、学歴や財力がなくとも社会のトップを目指せることになった人々は、ある者はこれまでよりも高水準の生活を目指して、またある者は生活レベルを保持するために、スコア強化のための数字確保に躍起になった。  スコアを上げることで能力は強化される。しかし、能力の上昇率については、誰もが一律ではなく個人の素質と能力の相性も関わっているようだ。  例えば、マラソン選手を目指す人に向いている素質は、体を動かすことが好きな人や疾走感を求めている人など。これらの素質を持っている人が、筋力増加や肺活量増加といった能力値を上げることができれば、世界屈指のマラソン選手になれるらしい。
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