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ふと、末期がんの人は、こんな感じなのかと思い当たった。
自分の思うように、体が動かない。
気力がないのだ。
それでも、上半身を何とか起こして考える。
「次、できるか?立ち上がれるか?こたつに手をつけて起き上がったら」
まず、経口補水液を何とか飲まなくては。
あれだけ吐いているから、脱水は確実だ。
それと、パンツとパジャマをはかなないと・・・
下半身はすっぽんぽんなので・・・
強く決意を固めないと、体を動かすことができない。
こたつに手をついて、ようやく立ち上がり、キッチンのパントリーにあった経口補水液のペットボトルを取り出した。
えええ・・?
なんと、ペットボトルのキャップが開かない。
ひねる力がないのだ。
それでも何回かトライして、ようやく力をいれると開いた。
二口ほど、飲むことができた。
そのまま、ペットボトルを持ち、こたつに戻り横になった。
連続して、動作を続けてできない・・・
ひとつの動作をやるだけで、いっぱい、いっぱいなのだ。
毛布をかぶり、目を閉じた。
次は、パンツをはこう・・・・そう思った。
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