顕現・3日目

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ふらふらしながらも、なんとかやりとおして、家のドアを開けた。 湿った大気と、どんよりとした曇り空、寒い。 少しだが、雨が降っていた。 傘を広げ、歩き始めた。できるだけ道の端を歩く。 電信柱から電信柱の区間が、異常なほど長く感じられる。 あと、少し・・・あと、少し・・・ 道路の横断歩道を渡れば・・・頭の中はそれしか考えられない。 吐かないようにできるのか。 途中で、しゃがみこみたくなったが、我慢した。 立ち上がる気力と体力が、なくなってきている。 車のガソリン量が、最後の点滅をしている・・そんな感じだ。 いつ、ガス欠でストップしてもおかしくない。 横断歩道を渡ると、クリニックの緑の看板が見えた。 あそこにたどり着ければ・・・倒れても何とかなる。 クリニックのドアを開けた時は、本当に安堵した。 受付のビニールカーテン越しに、診察券と保険証を出しながら一気に言った。 「熱はありません。吐き気と胸の痛みがあります」 「お名前をお呼びしますから、お待ちください」 そう、言われてから、待合室のソファーに座り込んだ。
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