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コロナの接種の人が多く出入りするので、待合室の人は多い。
吐き気がいつくるのか、恐怖はそれだけだった。
1時間ほど待たされた。
座っているのが・・・つらい・・・
<体調が悪いのですが・・・横にならせてください>と、言おうと思った時に、名前が呼ばれた。
「一番診察室にどうぞ」
引き戸を開けると、顔見知りのドクターが柔和な笑顔をむけた。
私は挨拶もせず、
「昨日の夜中から、胸の痛みと、吐き気が続いています」
ドクターは座るように促した。
「どんな痛みですか?」
「みぞおち部分で、ひどいときは呼吸ができない、横隔膜が上がったままで、呼吸が浅くなります。あと、お腹が張っています。下痢はありません」
私は、みぞおちに手をやった。
ドクターは思いあたったように
「それでは、そこに寝てください」
すぐ脇の寝台に、寝るように指示した。
腹部の触診、軽く場所を変えて手で圧迫する。
所々、鈍い痛みがある。
「血圧、レントゲン、腹部エコーをやりましょう。血液検査もやります」
「はい・・・」
言われても、頭が働かない。返事だけした。
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