顕現・3日目

3/9

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
コロナの接種の人が多く出入りするので、待合室の人は多い。 吐き気がいつくるのか、恐怖はそれだけだった。 1時間ほど待たされた。 座っているのが・・・つらい・・・ <体調が悪いのですが・・・横にならせてください>と、言おうと思った時に、名前が呼ばれた。 「一番診察室にどうぞ」 引き戸を開けると、顔見知りのドクターが柔和な笑顔をむけた。 私は挨拶もせず、 「昨日の夜中から、胸の痛みと、吐き気が続いています」 ドクターは座るように促した。 「どんな痛みですか?」 「みぞおち部分で、ひどいときは呼吸ができない、横隔膜が上がったままで、呼吸が浅くなります。あと、お腹が張っています。下痢はありません」 私は、みぞおちに手をやった。 ドクターは思いあたったように 「それでは、そこに寝てください」 すぐ脇の寝台に、寝るように指示した。 腹部の触診、軽く場所を変えて手で圧迫する。 所々、鈍い痛みがある。 「血圧、レントゲン、腹部エコーをやりましょう。血液検査もやります」 「はい・・・」 言われても、頭が働かない。返事だけした。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加