1人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
その後、姉に電話した。
「手術するって・・すぐじゃないけど」
「あんた、脂っこい物、よく食べていたからじゃないの?」
姉は、詰問するような口調で言った。
今さぁ、私、弱ってんだよね。今更、原因追及されても、意味がない。
励ましとかさ、ねぎらいとか、大変だったねとか、言わないのかぁ。
「また、何かあれば連絡する」
そのまま電話を切った。
すぐに気持ちを切り替えて、職場の上司に連絡した。
「手術をするそうです。すぐにではないけど、しばらくは検査が続いてあります。」
手術というワードは、インパクトがある。
「お大事にしてください。詳しくはまた体調を見て、連絡してくれればいいです」
上司は、そんなにひどかったのか・・という、驚きを隠しきれないように言った。
今日のやるべき事は、すべて終わった。
ほっとしながら、ゆっくり、ゆっくり歩いた。
桜が咲いている。いっぱい咲いている。
春を謳歌している。
水たまりにも花びらが浮いている。世界はピンクであふれていた。
手術すれば、治るのだ・・取りあえず、よかったと思った。
最初のコメントを投稿しよう!