フィーネ

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フィーネ

 夢を見た  美しい光の中で  俯き泣く子供  酷く懐かしく思えて  僕は手を伸ばした  朝が来た  眩しい日差しの中で  何故か流れる涙  何もかもが悲しくて  僕はまた眠りについた  いつからリズムが狂ったんだろう?  どこで楽譜を見間違えたんだろう?  自問自答にいつしか疲れて  僕の口は歌うことを忘れた  声をあげて 歌って  泣いてしまいたくて  積もった想いを伝えるのに  文字ではあまりに  薄っぺらくて  声を殺し 忘れ  逃げ出してしまって  積もりに積もった日々の後悔  やり直すにはあまりに  遅すぎて  今日も、何もない日でした。  夜になる  明かりのない部屋の中で  震える手に握るナイフ  何もかもが馬鹿らしくて  僕は手を振りかざし……  ふと温もりが頭に伝う  夢の中泣いていた子供が  僕を撫でながら口を動かす  「      」  声は溶けて 消えて  聞こえてないけれど  自分自身からのそのフレーズは  音がしなくても  響き渡る  ありがとう ごめんね  声にならないけれど  それだけで(ぼく)は微笑んで  輝く涙拭いながら  消えていった  夢を見た  美しい光の中で  俯き泣く子供  酷く懐かしく思えて  僕はそっと抱きしめた  「生きていいよ」
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