考える人、考えている人々、考えもしない人。

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「まさか、負けた? いや、ありえねーなそりゃ。 流石にホリ子にゃ敵わねえけど、一応テ領を牛耳ってた連中だし。 それに、あのガイコツリッチのゾンビ軍団はグッサーの魔法で強化してある筈だ。 …おっさんになんちゃってグローバルホークでも作らせっかな。 ホリ子~~~」 何とも締まりのない口調でバカ勇者。 彼の言うホリ子とは勇者パーティー専属聖女ホーリィ=ショラウンの愛称である。 数年前拉致同然の形でラルセントから連れてきた彼女は、此までただの一度も反抗した事がない上に、大概の命令には黙って従う。 だが、気味が悪い程に感情の起伏が見られないのだ。 また、バカ勇者の側近に取り立てた異性の中で唯一彼女だけが、バカ勇者に幾度迫られ誘われても身体を許そうとしないのであった。 「ホリ子参りました、勇者様」 「早いな…流石はホリ子だよウンウン。 で、そろそろやらしてくんね?」 「私の聖女としての力及び全魔力の喪失と引き換えで宜しければ喜んで」 「…ばーか、ジョークに決まってんだろ?」 「あいすみません。 では、御命令を勇者様」 端で聞く分には何ともアホらしいやり取りだが、この2人にしてみればいつもの事に過ぎない。 そんな2人の元に使用人からの緊急連絡がもたらされたのは、其からすぐの事であった。
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