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年を重ねていくと 傷つくことが怖くなる 感情の振り幅も苦手になって 平穏な日々 自分の感情、心に蓋をするのに慣れていく 心が乱れるようなことも そっとため息をついて なかったように粛々と対処する 怒ることも、ときめくこともなく ただ毎日を重ねていく 情熱を求めたくなったら 束の間恋人ごっこをして 快楽を求めあって 好きだよって言葉遊び 執着もなく 会ってる時だけ楽しくすごす そんな恋愛ごっこに慣れて 心が揺さぶられるような 胸の高まり ときめきを忘れていた 感情がむきだしにされるような感覚 執着や情念 嫌われたらと思う不安 愛されたいと乞う欲望 一喜一憂する感情のアップダウン 忘れていたの なにげない一言で喜びに満たされて 会えない時間で心が闇に侵されていく 苦しくて自分じゃなくなっていく恐怖 それでも好きになってしまった 抑えられない恋心 嘘をつくのに慣れすぎて ただの言葉遊びの好きを繰り返す 私の心の奥から湧き上がる想いを隠して 大人の軽い恋を演じる 本気は負担になって きっと終わってしまう だからせめて一緒にいられるよう 私は今日も嘘をつく 遊びの恋 恋人ごっこ 貼り付けた笑顔にも ずいぶん慣れたし 自分が2人いるような 表の私 裏の私 時が過ぎるのをただ待つだけ そんな日々に不満もなく 穏やかな日々に満足していたのに 恋に落ちた 恋に落ちてしまった むきだしにされていく心 穏やかじゃない感情 研ぎ澄まされる感覚 彼が欲しい 渇望 情熱がまだ私にも残っていたのかと 感動すら覚える 恋が私を変えていく 灰色だった世界に 彩りが満ちていく この想いを大切に 真綿で包む そして隠す 誰にも気がつかれたくない 大好きな貴方にだけは気がつかれたくない 嘘をつくのには慣れた 自分にすら嘘をついて 私は今日も貼り付けた笑顔で笑う
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