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「ねぇ、今日の夜一緒に行かない?」
大学に向かう道の途中、愛実(まなみ)が聞いてきた。
「今日の夜って、学(まなぶ)さんとデートでしょ?
わたしが行ったら邪魔しちゃうよ。」
「それが、創さんも誘っていいかって聞かれてさ。
3人だと気まずいから、友里(ゆり)にも来て欲しいんだよね。」
「え・・・、創さんって・・・吉岡先生??
それこそわたし気まずいって!
高校の時も喋ったこと全然ないもん!」
「そうだっけ・・・?
創さん、友里のことは絶対怒ったことなかったし。
あと・・・」
愛実が少し考え込む。
「とにかく、絶対に気に入られてると思ってたけど?」
そんなことを言う愛実に驚く。
「スタメンでもなんでもないから怒られなかっただけだよ、絶対!
1年も2年も副担任で、部活の顧問でも喋ったこと全然ないよ・・・。」
「そうだっけ?
じゃあ仕方ないからわたし1人で行ってくるかなー・・・。」
愛実はそう言いながら、なんだか難しそうな顔で考え事をしている。
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