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そして・・・
我が家に到着した。
さっきとはまた違う緊張で、震える手でドアを開ける。
「ただいま~・・・、連れてきたよ~。」
小さな声で言ったけど、お母さんが廊下をパタパタと小走りで走り、玄関まで来てくれた。
そして、創さんをジッと見て少し固まった時・・・
「初めまして、吉岡創一です。
本日は、お時間いただきましてありがとうございます。」
創さんは、わたしが見たことがない爽やかな笑顔で挨拶をして・・・
なにその笑顔!!!!
わたしにももっと見せてよ!!!!
と、心の中で悶えた。
「あら・・・?アナタ・・・」
お母さんは大きな目を斜め上の方に寄せ、暫く考えて・・・
「もしかして・・・?」
「はい・・・、直接お話するのは今日が初めてですが・・・。
友里さんのクラスの副担任で、女子バスケ部の顧問でした、吉岡創一です。」
もう、すっっっごく爽やかな笑顔でそう答えて・・・。
創さんの返事に、お母さんは満面の笑みになり・・・
「そ~お!!そういうことね~!!
そっか~!!!うん、そうだよね~!!」
と、これまた初めて見るテンションのお母さんになっている。
「さ!!どうぞ、上がって上がって!!!」
「ありがとうございます、お邪魔します。」
と、スリッパを履き創さんはスタスタと廊下を歩き、お母さんはルンルンと創さんをリビングまで案内して・・・
「お父さ~ん!!お父さーん??
いらっしゃったわよーーー!!」
と、絶対にわざと出て来ていないお父さんを大きな声で呼んだ。
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