642人が本棚に入れています
本棚に追加
それから、6人で懐かしい部活のミーティングルームに向かう。
ドキドキと心臓が煩くなる。
「創さーーん!!」
1人の子が勢い良くミーティングルームを開けると、ノートパソコンでお仕事をしていた創さんが顔を上げた。
「おー!卒業式終わったか!」
そして、わたしを見て、優しく笑ってくれた。
わたしも、恥ずかしいけど笑い返す。
創さんはすぐに他の子達に目を向け、少し吹き出した。
「お前ら・・・顔が煩せーよ!!」
「なにそれーー!!!」
「顔が煩いってどういうことーー!??」
「いいから、一旦そのニヤニヤした顔やめろって!!!」
「なにそれーー!!!
別に友里と創さんを見て、ニヤニヤなんてしてないよー?」
「ほんとそれ~!!
友里と創さん見てニヤニヤなんて、するわけないじゃん!!!」
「あーー!!分かったよ!!
俺が悪かったよ!!」
創さんとスタメン4人の子達が、信じられないくらい盛り上がっている。
それが面白くて、愛実と2人で笑っていると・・・
「創さんさ~、で?
友里に伝えることあるんでしょ?」
「・・・は?」
「だーかーらー!!
友里に伝えること、あるじゃん!!!」
「いや・・・あるけど、なんだよ?」
「ほら!伝えないと!!!」
「はあ!?なんでお前らいる時に伝えるんだよ!!」
「えーー!?うちらいる時以外で、伝えるタイミングなくない!?」
「そうだよ!!!」
と、普段は創さんに弄られてばかりだった4人は、ここぞとばかりに創さんを弄ぶ。
「わーーかったよ!!」
あまりに4人が煩いので、創さんは渋々ながらもわたしに近付いてきた。
そして、わたしの前に立つ。
緊張して張り裂けそうな胸の音が自分でも聞こえる。
「友里・・・」
創さんの低くてよく響く声が、わたしの名前を呼ぶ。
「はい・・・」
創さんを見ると、珍しく緊張しているのが分かる。
「俺・・・お前のことが好きだよ・・・。」
わたしは、少しだけ笑って創さんを見詰める。
「俺の・・・彼女になってくれる?」
緊張している創さんに、わたしは笑い掛ける。
「わたしも、創さんのことが大好きです・・・。
よろしくお願いします。」
わたしが答えた瞬間・・・
「「「キャーーーーーーっ!!」」」
と、ミーティングルームが、震えた。
最初のコメントを投稿しよう!