640人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、創さんまた明日。」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに俺に笑い掛ける友里に、俺も笑って頷く。
「えー?今日は2人で会わないの?」
「うん。創さんが、今日は両親とって。」
「さっすが~!!そういうところは大人の男の人だよね~!!」
そんな話でまた盛り上がり、友里の代のメンバー達は、体育館の横にあるミーティングルームから、廊下を並んで去っていく。
皆と一緒に並んで歩く友里の後ろ姿を見る。
白地に薄い紫色の花が散りばめられ、濃い紫色の袴を履き、髪の毛をアップにした友里の姿。
その友里が、
俺を、
振り返った・・・。
そして、俺の大好きな、あの屈託のない笑顔で、笑った。
その時・・・
早川の高校の卒業式、
俺を振り返ることなく去っていった、制服姿の早川が・・・
俺を振り返り、笑ってくれたように見えた。
そして、俺も笑い掛ける。
卒業、おめでとう・・・。
最初のコメントを投稿しよう!