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「サプライズとかいらねーよ!」 吉岡先生は怒りながらも笑っていて、そんな感じはよく高校の時に見ていたように思う。 「早川と綾瀬は注文したの?」 「まだです。 創さんが来るちょっと前に着いたんですよ。 わたしは生~!!」 「だろうな! 早川はどうする? カシオレ?」 「あ・・・はい、カシオレでお願いします。」 「飯はテキトーに頼むから、他に何か食べたければどんどん注文しろよ~。」 「学さんと創さんのおごりだから、友里も沢山食べなね!」 「早川、こう見えて大食いなのは驚きだよな。」 愛実と吉岡先生がテンポ良く会話をしていき、わたしは全く入れないでいると、その間に吉岡先生が店員さんに注文してくれた。 メニューを閉じた吉岡先生に、学さんがまたニヤニヤしながら話し掛けた。 「創一さ、な~んで友里ちゃんの飲み物当てられたの~? 大食いのことまで知っててさ~!」 たしかに・・・。 どうして分かったんだろう? 「この前のOG会の時にカシオレ飲んでただろ? そもそも酒自体飲めなさそうで、カシオレ1杯も飲めてなかったじゃねーか! 大食いなのは部活の奴らならみんな知ってることだよ、うるせーな!」 吉岡先生はそんなことをサラリと言って、学さんはその後もブツブツ言っていたけど無視していた。 でも、OG会があったのは大学2年の頃で、もう2年くらい前なのに。 歴代のOGが集まったからすごい人数で、吉岡先生がどこに座っていたのかも分からないくらいだったのに。 高校の時からわたしのことなんて認識していないと思っていたけど、実はちゃんと見ていてくれたのかな? と、少し嬉しい気持ちになった。
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