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令井ショウタ
ショウタは、動揺した。
「えっ? まずいでしょ、女の子の部屋に……」
光は、思わず、ぷっと笑った。
「ホントは、マジに紳士なんだね」
「えっ? ぼ、僕は、そんなんじゃ……」
ショウタは、慌てていた。
「なんか、人格、変わってない? それに、自分のこと、オレじゃなくて、僕っていうんだ」
光が、笑いながら言うと、ショウタは、観念したように呟いた。
「……これが本物です」
「認めちゃうんだ?」
光が訊くと、ショウタは、表情を緩めた。
「……もう、疲れた……限界」
「演技に?」
光は、訊いた。
「……うん」
ショウタは、そう言うと、光を見つめた。
「美月 光さんだよね?」
「そうよ。良く知ってるわね」
「ハンカチに『ヒカリ』って書いてあったし、名字は、部屋の前に出てた。……それに、ずっと、前から、知ってた」
「えっ?」
「なんか、目の綺麗な人だなって、入学式の時、講堂で見かけて……」
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