第一章 最低な男

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翌日の午後。 体育の授業があった。 体育館での、バレーボールだった。 光は、あまり、運動が得意ではない。 今日も、活躍は出来なかった。 ため息を吐きながら、体育館を出て、更衣室まで近道をしようと、体育館の裏手に回った。 ショウタがいた。 そして、同じ清掃員の格好をした、中年の大柄な男もいた。 その男が、大声で怒鳴っていた。 「遅刻はするわ! ズル休みはするわ! おまけに女は次々変えるわ! お前サイテーだな! ろくな死に方、しねーぞ!」 男は本気で、怒っていた。 それなのに、ショウタは、小さく嗤った。 男が、顔色を変えた。 「何だ?! 何が、おかしいんだ?!」 「ろくな死に方か……いや、大島さん、オレのこと、良く分かってんなーって思って……」 ショウタは、呟くように言った。 「ふざけんなッ!」 大島という男が、いきなり、ショウタを殴った。 ショウタは、倒れた。
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