ただいま!みんな元気?

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リビングには私の夫、直衛君と長女の秋穂、それに長男の春樹――そして二十代半ばから後半くらいと思われる女性がいる。 どうやらこれから夕食らしく、直衛君と子供達は各々のいつもの席に着いている。件の女性はキッチンで食事の準備に忙しそうだ。出来た料理を持ってリビングとキッチンを嬉嬉(いそいそ)と往復する。 彼女の忙しくしている様を見て、秋穂が春樹を連れ立ってキッチンにスキップしながら入って行く。 「ちひろちゃん、お手伝いするね!」 「あら、秋穂ちゃん。ありがとう。じゃあ、そこのお皿とお箸持って行ってくれる?」女性が秋穂に優しく答えた。 「ちひろおばちゃん、僕も手伝う!」 「春樹!おばちゃんじゃないでしょ?ちひろでしょ」秋穂が空かさず春樹を嗜める。 『何か大分馴れてるな……昨日今日知り合ったんじゃないみたい。誰だろう?』確かめたくなって私はガラス窓をすり抜けて中に入った。 『お邪魔します。あ、私の家だったっけ。いけない、いけない』 「じゅあ、食事の準備出来た事だし、みんな席に着いて!あ、水沢さんも。そちらに掛けて下さい」直衛君が春樹を持ち上げ、椅子に降ろしながら食卓を見回す。 直衛君が「いただきます」を言おうとした時、春樹が何か思い出して声を上げた。
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