ただいま!みんな元気?

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『あっ!ああぁぁ~!今日、男の子助けた女性(ひと)だ!』 そう、その女性(ひと)――水沢千絋(みずさわちひろ)さんは目にも止まらぬ早技で男の子を助けた謎のヒロインだった。 そのヒロインさんと直衛君――二人はどういう関係なんだろう?気になる……。夕食会もお開きなり水沢さんは帰り支度を始めた。 『同居してる訳じゃないんだ。互いにどう思ってるのかな……』気が気でない私は、水沢さんを玄関迄送る直衛君の後ろを付いて行った。 「今日は家まで来て貰って、手料理まで作っていただいてありがとうございます。明日は約束した時間で大丈夫ですか?」 『え?明日も?あの、明日は……』 「はい……大丈夫、です。でも、いいんですか?大事な日なのに。奥様の命日に私何かが一緒でいいのかなって……」 『そうだよ。私の命日なんですけどっ!』 「妻の――(かえで)の大事な日、命日だからこそ、来て欲しいんです。この前の返事も訊きたいですし……」 「……あ、はい」水沢さんは困った様に顔を伏せて下を見詰めた。 「あ……まだ時間ありますから、じっくり考えてからで。急かす気は有りませんから」 『おーい、返事って何よ?私の知らないうちに何か話が進んでるの?』 水沢さんが帰って三人が寝た後も、先刻(さっき)起きた事が頭から離れない。 毎年里帰りすると、こっそり直衛君のベッドに潜り込み添い寝するのだけど……今夜は何となく気が乗らなかった。 今夜は子供部屋で寝てる秋穂と春樹の寝顔を眺めて寝よう……。 多分、寝られないだろうけど……。
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