【空豆の小噺】其の参 空豆の旬と目利き

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【空豆の小噺】其の参 空豆の旬と目利き

 春になると、街中のスーパーなどにも空豆が並ぶ機会が多いかと思います。有難いことに、本作をご覧になられて実際に空豆料理を作られた、というお声もいくつか頂戴しておりまして、誠に嬉しき限りでございます。  空豆は皆様ご存知の通り、春が旬の食材でございます。ちょうど晩春から初夏にかけてが旬でありますが、今はその前後を市場に出回ることが多いようです。ハウス栽培のものもありますし、今は冷凍品も多く出回っておりますからね。  よい空豆を見分けるコツは、サヤをよく見ること。表面が産毛に覆われているものが上物とされ、サヤからも豆の大きさが分かるぐらいのはち切れそうなものが美味。色味も鮮やかな緑色がよいとされ、黒の斑点などが少ないものがよいとされております。  中の豆も見分け方がございまして、こちらのカギとなるのが「お歯黒」。お歯黒の色が淡い黄緑色なら鮮度がよい証拠であり、時間の経過と共に黒くなってまいります。もっともこちらは、黒くなったから味が落ちるとは一概に言えぬものではございません。若いものは瑞々しく柔らかい食感、少し時間が経ったもの濃厚な味わいでしっかりとした食感になると言われております。
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