新、呑兵衛・夏凛と缶助の酔いどれ探偵捕物控 伍 

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「全てお見通しですな、そうなんです。 夏凛は「缶助を愛しています!」なんて ハッキリと私達に言ったんですわ、 それで、『だから、お見合いなんかしたくない 私は駆け落ちしてでも缶助と一緒になります』 なんて言いましてな、これには私も負けました。 可愛い孫娘の為にひと肌脱いであげようと思いまして 会長にお電話してしまったんです。 関谷くんが、呑辺財閥に釣り合わないのは わかっております、しかし関谷くんの実家で、 今回私どもの国際ホテルの食を一手に 引き受けていただくようになりましてな 米、野菜はもちろん、新潟産の最高級の日本酒まで 今回、関谷君の実家でご馳走になりまして 新鮮な松茸から色々な種類のキノコ、 食の宝庫ですわ新潟は...... それに、幻の名酒まで、たらふくご馳走に なってきました。誠、美味しいものばかりでしたよ なんというか、まんまと夏凛の策に乗せられた みたいですけどね。しかし全てに置いて 私も満足出来るものでした、缶助君の 人柄も御両親を拝見して納得した次第です。 どうでしょう、会長!夏凛の婿候補として 関谷君も入れていただけないでしょうか? 彼もどんな試練も受け入れる気持ちでいる様ですし それに、あの幻の名酒を近いうちご馳走しますよ」 「そうですか、やはりね。私もうすうす 感づいていました。息子が夏凛の見合い相手を 探してきて、今回ばかりは絶対に見合いをさせる と息混んでいましてな、私もどうしたものか と考えていた所でした」 「やはり、私たちは可愛い孫娘を放っておけない じいじとばあばですからな、 夏凛が小さい時、私たちと会長、それに奥様に 『夏凛はじいじ、ばあば、のこと大好きよ』 と言っていた頃が忘れられないんですわ 最も今でもあの子はあの頃と変わらない そのままで育ってくれました。 これも会長のお陰だと思っています」
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