新、呑兵衛・夏凛と缶助の酔いどれ探偵捕物控 伍 

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「いえいえ、何も問題はありません、逆に私の方から 少しお願いがありまして」 「はい、お願いと申しますと」 「実は先日、呑ませて頂いた、あの幻の名酒 何とか手に入りませんかね、何本でも 構わないですから......実は呑辺財閥の 会長さんにこのお酒の事を話したら是非呑んでみたい と、おっしゃいまして、関谷さんに聞いてみますと言ってしまったんです。何とかならないでしょうか?」 「そうですか!丁度よかった!実は社長が帰られた あと、すぐに知り合いに連絡したんです、そしたら あの『3本入り』の物があと3セット残って いたんです、それをすぐに譲ってくれと言ったら 承知してくれて、近いうち引き取りに行くことになっていたんです。手にしてから社長の方にご連絡しようと思っていた次第です」 「そうですか、それは良かった!その3セット 全て買い取りますのでお願いします。 それでこの名酒の取引の方は?」 「はい、その件も蔵元も乗り気になってくれまして 今度社長の方に私と蔵元で伺おうと思っていた 所でした。本当にありがとうございます。 蔵元も認めていただいたことにとても 感謝しておりました」 「そうですか、それはよかったこちらに見える時は 連絡下さい、その時は開けておきますので」 「ありがとうございます、それでは3セットの 方は、社長の方にお送りさせて頂いて よろしいでしょうか?」 「ええ、大至急送って下さい、代金の振込先も お願いします」 「ありがとうございます、すぐに手配しますので」 「それと、マネージャーの方から近々連絡が 行くと思いますがまた納品の方よろしく お願いしますね」 「わかりました!おまかせ下さい」 良かった!あの名酒があった! 会長に面目が立ったな、夏凛のためだ 良かった良かった。 **************************************
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