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「あっ!そうでした!あんな立派なスーツが
あったんですよね、え〜と確か
『イタリアのアスベスト』でしたっけ?」
「バカ!スーツ着て肺癌になってどうすんのよ!
『イタリアのベルヴェスト』のスーツでしょ!!」
「あっ!!そうでした!アスベストって
使用禁止になっているあの綿みたいなやつでした」
「まったく!!......でも、お爺さま大丈夫かしら」
それから5日ほど経ったある日
お爺さまから連絡があった。明日の夜7:00までにコッチ(実家)に来なさいと......
私も缶ちゃんもスーツ、ドレスを身に纏い
りんちゃんにもドレスを着せて
実家に行った。駐車場には見慣れぬ高級車が
5台程並んでいた。どの車も私も知っている
超高級車やスーパーカーと呼ばれる物ばかり
だった。缶ちゃんはだいぶ緊張していた。
玄関に入るとメイドさんがパーティルームに
私達を案内した。りんちゃんの事はボーイさんに
面倒を見てもらうことにした。
そこには既に、5人の見知らぬ男性と
お爺さまおふたり、お婆さまおふたり、
そして父さんと母さんが5人の男性と向かい合うよう
に座っている。私の席は父さんと母さんのあいだに
缶ちゃんは、5人並んでいる1番端に座らされた。
そこで、お爺さまが
「本日は夏凛の未来の婿殿になるかも知れん
立派な青年6人に来ていただいた。
見合いの席は後々設けるとして、今日は儂の
描いているビジョンに誰が相応しいか
それを拝見させてもらう」
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