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「会長のお心良くわかりました、
その幻の名酒を当てれば良いのですね」
「そうじゃ、だがその幻の名酒が
3本ある。それを全て当てて欲しい、他の2つの
グラスの中身も『幻の名酒』とまではいかないが
日本を代表する大吟醸だ、ちと難しいかもな」
男性陣がグラスに口を付ける。
缶ちゃんなら、これはすぐにわかるだろう
なんせ、新潟の実家で既に味見をしているから
テストで言えば既に答えがわかっている
カンニング問題だから。
缶ちゃんは、あっさりと3つのグラスを全て
一気飲みをしてしまった。
それでその中の1つのグラスを前に出した。
他の男性陣も缶ちゃんの呑みっぷりを真似して
皆それぞれ一気に呑んでいた。
グラスは有に一合は有るだろう。
3個のグラスを飲み干しそれを3回繰り返す
普通の男なら、一合酒を9杯呑んだりしたら
正気をたもてないどころか死んでしまうかも
しれない。
2回目も缶ちゃんは一気で1つのグラスを前に出す
しかし他の男性達は既に酔っ払ってきている。
酔うと、本性が出て来る物もいる。
段々と声を荒げる者、文句を言い出す者
寝てしまう者、それぞれの自我が出てきた。
缶ちゃんだけは平然と3種類目のグラスを前に出していた。
他の5人はテーブルに突っ伏して寝ている者
トイレに駆け込みゲロっている者
フラフラになって床に倒れ込む者
缶ちゃんだけは平然としていて前に出したグラス全て当てていた。
ここまで約1時間ほど。
結局5人全てグロッキー
それぞれが客間に運ばれベッドで眠りこけていた。
残った男は缶ちゃんだけだった。
缶ちゃんはおおよそ1人で一升を開けたことになる
何食わぬ顔で私を見ている缶ちゃん。
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