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目には目を、
歯には歯を、
そして音には音をだ。
靴を履き替えた私を見たナターリャはバチを持ち上げる。
体中に響き渡るドラの音にマカールと少年が手を停めて私たちを見る。
静かになった空間で私はタップダンスを披露した。
「ピザ焼けたよ」
セッションの続き、結末を見たいところだった。
「できたてほやほやさ」
しかし私とナターリャの食欲は我慢の限界に至っていたのだ。
「セッション終わり! ピザ食べたいんだよ馬鹿野郎!」
とたまたま傍にあった星形のギターを真っ二つに叩き割った。
なんとかピザを食べるためにセッションが終わった。
マカールたちにとっては不本意かもしれないが仕方がない。
とにかく腹が減っていたんだ。
「あんなにがまんしていたとは」
「女には逆らってはならないってことだな」
「すごいですね……」
と男たちの視線とヒソヒソを横目に私とナターリャはピザを頬張る。
舌に広がるほくほくのチーズと生地と具材たち。
カロリーは高いけれど、そんなの気にしたら何も食べれない。
今日だけはデブになってもいいと思うくらい美味しかった。
一応五枚は焼いたけれど、早く失くなってしまう。
最後に残った一枚は全員でじゃんけんした結果、少年の手に渡ることに。
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