セッションの行く末

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セッションの行く末

 ピザが焼きあがった後、ナターリャは机の上にピザとオレンジジュースの入ったグラスを並べる。  そして3回カウントすると、パッと消えたのだ。  ナターリャ曰く、地下のホールに移動したという。 「すごいなあ。魔法を使っているみたい」 「この建物自体が奇跡みたいなものだからね。これがあるおかげでジュースをこぼすこともないし、ピザもうっかり落としてしまうこともない!」 「いいなあ。私もよくうっかりとするから頼りたいわ」  きゃっきゃうふふと話をしながら地下に降りたのだが、穏やかな雰囲気が激しい音によってぶち壊される。  連続するピアノとドラムの音、審判のように両者の間に入るエレキギターの音で構成されていた。  何があったんだよと驚いた私たちは駆け込む。  一心不乱にマカールはドラムを、少年はピアノに向き合っていた。  マカールはなんだろう、ロックバンドか? あの伝説のバンド、XJAPANのドラマーみたいに全身を振り回している。  おいおい、この人こんなに激しい人だったのかと初めて知った。  少年も負ける物かとピアノを壊す勢いで激しい演奏を続けている。  アダムは傍観者としてエレキギターを時々鳴らしていた。 「え、これどうする?」 「声、かけにくいよね」 「このまま見るのは面白いけど冷めるぞ!」 「……」  私とナターリャピザと激しいバトルをする男たちを見ながら困惑。  どうすればいいんだよと頭を抱えた。 「音楽が激しいなら音楽で制するしかないな。早くピザ食べたい」 「そうだね、冷めちゃうもんね」 と私は提案し、ナターリャも動くことにした。
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