喫茶 エス・コート 2

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「まあ、アレだ。及川とのこと両親は反対すると思うけどよ。俺は応援してるから」 「……ありがとうございます」 「あーそうそう。コイツ、もうちょっとセクシーな下着が好きなんだよ」  ……はい? 「色もパステルカラーより黒とか赤とか。大人っぽくてエロいヤツ」  ……そうだった。柳さんにも見られてたんだ。  不可抗力だけど。恥ずかしい。 「俺は、凛ちゃんには可愛い下着の方が似合うと思うぜ。胸のサイズ的にも――」  及川さんが柳さんの襟を掴んで引っ張った。  ガツンと怒ってくれるのかな。 「……柳」 「冗談だって。そう怒るなよ」 「俺も同じ意見だ」  ……ちょっと何言ってるかわかんない。  何で2人して私の下着の話してるの? 「高校生らしく清楚でいい」 「そうだな」  ……まあ、同じ物干し場に干してるし。  今更、恥ずかしがることも無いんだけど。 「……私だからいいですけど。普通の女の子に言ったらセクハラで訴えられますからね」 「え。そうなの?」 「そうなんです」 「こえーな。気をつけよ」 「気をつけてください」  及川さんは大丈夫だと思う。  表向きは、とっても紳士だから。  私も最初は騙された。  まさか、こんなにも裏のある人だとは思わなかった。  すぐ触るしキスするし。  私は及川さんのこと好きだから嬉しいけど。  普通に考えたら、この歳で女子高生に手を出すなんて犯罪だ。  平気で人を始末してるから物凄い犯罪者なんだけど。  まさか殺し屋を好きになるなんて。  平和に平凡に生きたかったのに。  楽しい毎日だけど。  彼らと出会ってしまったこと。  少しだけ、後悔した。 【 完 】
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