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【行商団】
それから程なくして、リンからのコールを受け取ったゴローたちのバギーとトレーラーが合流した。
ショーンは乗りつけて来る自動車に驚き、見入っていた。この時代では走行可能なクルマは大変稀少で、しかもこの行商団は大きなトレーラーまで走らせていた。それに加え、燃料も貴重品だったから驚くのも無理はない。
賊徒たちはクルマの行商を襲うことはほとんどしなかった。徒歩では追いつくことはできないし、仮に停車時に襲撃したとしても、クルマに積まれた重火器で薙ぎ払われるからだ。賊徒にとってクルマは、自分たちが支配できる相手ではなく、賊をまとめる頭目よりも遥かに上位の、畏怖の対象だった。
到着したバギーの助手席から飛び降りて来た大男が、アンディに笑いながら訊いた。
「こいつがその行き倒れの賊徒か? まだ小せえガキじゃねえか」
確かにショーンは小柄で年齢も十三~十四歳くらいに見える。まだ少年と言ってもいいくらいの背恰好だった。実際まだ成長期ではあったが、栄養状態が悪く、身体の成長に悪影響を与えていたためだった。小柄なことを気にしていたショーンはガキだと言われたことに腹を立てたが、この状況で口答えすれば酷い目に遭うのはわかっていたので黙って耐えた。
その大男は急に凄味を効かせた怒りの表情になり、腰のホルスターに手をかけながら、低い声でショーンに向かって呟いた。
「まあ、ガキだって理由だけじゃ……生かして置けねえけどな」
大男の呟きと銃器を取り出そうとする動きに死の恐怖を感じたショーンが身を強張らせる。リンは小さくジャンプして大男の頭を引っ叩いて制した。
「ゴロー、あたしたちは賊徒とは違うの。そんなに簡単に生命を奪ってたら、あいつらと一緒じゃない!」
リンの剣幕と叩かれた勢いに飲まれ、ゴローと呼ばれた大男がたじろぐ。そしてまるで母親に叱られている子供のように小さくなった。確かにリンは体術を修練しており、その小さな体躯でゴローを簡単に跳ね飛ばす技を持っている。恐らくリンに吹っ飛ばされた記憶が脳裡に焼き付いているのだろう……と、その様子に苦笑しながらアンディが言う。
「ひとまず、彼からここにいる経緯を聞き出そうと思う。もしかすると仲間の賊徒が助けに来ないとも限らないし、その情報を……」
「それは、絶対にない」
ショーンは確信を持ってきっぱりと否定した。実際に言葉にして見ると、あの時に心を抉った痛みが甦る。現実をまざまざと理解したショーンの表情が暗く曇った。
「え?」
三人は声を揃えてその否定に軽く驚きの声を上げた。ショーンは手短に自分が何故ここにいるかの理由を呟く。
「俺は、お頭に見限られ、囮になってドローンを引きつけろって追い出された」
「……詳しく聞かせてくれ」
アンディに促され、ショーンは行商の一団を襲ったこと、行商が荷車を置いて逃げたこと、タイミング悪くドローンに襲われ、お頭に脅されてドローンを引きつけ、ここまで逃げて来たことをポツポツと説明した。
「ひどッ……自分の仲間をドローンの囮に使うなんて!」
リンが憤慨して言う。それは尤もだと思いつつ、アンディは先日、ある集落の傭兵団から聞いていた作戦と符合する部分に気づき、少し思案してそのことを口にした。
「詳しいことは言えないが、彼が言ってることは概ね正しいと思う」
「あの件か?」
ゴローもその件については聞かされていた。ある集落の傭兵団が、賊徒とドローンを一掃し、廃墟を集落として取り返すための作戦を立てており、その試験をじきに行うため、アンディたち行商団への協力を要請して来ていた。
ジャミングユニットを全く反対の極性、つまりドローンを寄せつける機能に切り替えて、賊徒の根城に置いてドローンと賊徒を戦わせる。ドローンが賊徒を粗方駆除した頃を見計らって、その装置に仕掛けた爆弾を炸裂させ、集まっていたドローンごと消し去ると言うものだ。
大口の依頼ではあったものの、アンディは物資の供与に留め、積極的にその作戦に関わるつもりはなかった。
「そうだと思う。多分、彼の賊徒のグループで実験したんだろうな。僕はトラウマじみた経験があるから、あまり賛成できなかったけどね」
賊徒に追われた崖山での体験を思い出すたびに、苦くも懐かしい記憶が甦り、アンディは何とも言えない気分になった。そして偶然にも似た状況を体験した、このショーンと言う男に同情に近い、憐憫の念を抱いていた。
「まぁ、その件についちゃ俺もアンディと同意見ではあるが……ただ、こいつの仲間がどうなろうと、同情する気なんか、さらさらねえけどな」
「……恐らく壊滅的なダメージを受けただろう。そう考えると、すぐに彼の仲間が彼を助けにここまで来るとは考えにくい」
「だとして、こいつはどうすんだ?」
「うん…………」
ゴローの問いにアンディは思案顔になって黙り込んだ。その顔を見るなり、ゴローはアンディが考えていることを察して釘を刺す。
「おい、アンディ……まさか俺たちと一緒に集落へ入れるとか、おかしなこと考えてんじゃねえだろうな?」
「ゴロー。どうやら僕は、そのおかしなことを考えているようだ。それが正しいのか、それで何が起こるか、自分でもわかんないんだけどね」
ゴローは天を仰いで額に手を当てる。そしてアンディに向き直って言い返す。
「あのな、俺はお前のことを心配して……」
「ただ、チャンスがあるなら、もう一度彼に人生をやり直してほしいと思ったんだ」
アンディは心を決めたら中々折れない。それを知っているだけに、尚更ゴローは声を荒げて叫んだ。
「勝手にしろ! お前のお節介は度が過ぎる。それに、この集落は何度も賊徒の襲撃を受けてるんだ! どうなっても知らんぞ、俺は!」
ゴローは怒りを抑えられず、足元の瓦礫を蹴り飛ばしてその場から離れ、バギーへ戻って行った。
「ゴロー……怒らせちゃったな」
肩をすくめてアンディは声を落とした。ゴローの気遣いはありがたかった。自分でも自身の浅はかで強情な子供の頃から変わっていない性格に呆れることもある。去って行くゴローに続けて、リンが諌めるようにアンディに言った。
「まぁ、仕方ないんじゃない? ゴローが怒る気持ち、あたしも、わかるからね。本人を目の前にして言うことじゃないけど、この人は賊徒なのよ。集落に迷惑をかけるかも知れないし、集落の人たちが知ったら、それこそ袋叩きにされるかも。もしそうなったら、あんたは信用を失って、あんたが傷つくことになる……。でも、あんたは誰にでも優し過ぎるし、その生き方を変えるのは難しいのも知ってるから……ゴローもそれを知ってるから、怒ってくれてるの。あたしもだけどね」
「ありがとう。二人の気持ちは充分わかってるつもりだ。人は……そんなに簡単に変わるもんじゃないかも知れない。でも、変わるきっかけさえあれば、前を向いて歩き出せることだってある。僕もそうだったから」
リンは、盛大なため息を吐き、言った。
「あんたって、本当に強情なお人好しよね……」
「強情はともかく、こんな瓦礫の世界にだってお人好しはいくらでもいるじゃないか。僕以外にも……君やゴローもそうだし。君のお祖父さんなんか、僕が知る中で世界最大級のお人好し代表だと思うよ」
「そうね。ユーじいちゃんは、確かに、特殊かも」
二人は突然噴き出し、笑い合った。
ショーンは、これまで目の前で起こったアンディたち三人のやりとりと展開について行けていなかった。
彼らは何を言い合って、怒ったり、ため息を吐いたり、笑ったりしているのか。恐らく自分の処遇について話し合っていた、と言うことは辛うじて理解できた。
お頭の下で暮らしているときは、命令が下され、それを実行し、命令完了を報告して食事にありつく以外の会話はほとんどなかった。目の前の彼らのように人が話す様子を見るのはもっと幼かった頃、親に捨てられる以前の記憶でしかなく、それすらも薄ぼんやりとした曖昧なもので内容も覚束なかった。
アンディがショーンに向き直って言った。
「改めて、僕はアンドリュー。自分ではあまり自覚はないけど、この行商の団長らしい。みんなはアンディって呼んでる」
「あたしはソン・リンホン。リンでいいわ」
二人が行った自己紹介も、ショーンにとっては生まれて初めての経験で、戸惑いを感じていた。どんな言葉を返せば良いのか思いつかない。
「ショーン。君さえ良ければ、僕たちと一緒に来ないか? 君を集落の中で自由にさせる訳には行かないが、僕らの仕事を手伝いながら、賊徒とは違う生活を知ってもらえるんじゃないかな。それでも馴染めなかったり、何か違うと感じたら出て行ってくれてもいい。集落の人にはできるだけ君の素性は明かさないようにするけど、長には話を通しておかないといけないが……」
リンが横から口を挟んだ。
「アンディは優しいから言わないけど、中で勝手なことをしたら、ただじゃ済まないからね。もし人に危害を加えようとしたら、あたしがぶっ飛ばしてやるから!」
ショーンは何故アンディが自分を連れて行こうとしているのか、その真意を掴めずにいた。賊徒なんだし、自分を捕まえて集落に引き渡せば済むことだ。
下手を打った賊徒が自警団に捕まり、処刑されたと言う話を聞くたび、自分はそうならないとタカを括って生きて来た。
だが今、自分が置かれている立場はまさにそれなのだ。しかし、目の前にいるこの人物はそれをせず、自分に判断を委ねて来ている。お頭や兄貴分たちのような命令口調ではない。
それが不思議で仕方なかった。
・・・・・・・・
行商団が集落へ近づくにつれ、一際背が高く青銅色のぼやけた建造物の輪郭がはっきりとして来た。
ショーンは初めて見る建造物だった。それは人の形を模しており、地面に対して若干左に傾いて建っていた。顔にあたる部分は半分ほど崩れており、よく見るとあちこちがひび割れ、欠けて落ちていた。
頭には右巻きの丸い渦巻きのようなものがびっしりと並んで髪の毛を表現している。ただ、それもところどころ欠けていた。
像の地面は、かつてそれの一部だった金属質の破片で埋め尽くされ、瓦礫の中から像の上半身だけが生えているように見えた。
バギーの後部座席から立ち上がって、得体の知れない像を見つめているショーンに、リンが像の説明をした。
「あれは、仏様の姿を象った像なの」
「ホトケサマ?」
思わずショーンは聞き返す。
「仏教って知ってる? 昔の宗教なんだけど。今はもう信者は少ないけどね。あの像は元々人が立っている姿だったらしいんだけど、崩れて今は上半身しか残っていないの」
ショーンにとっては仏教はおろか、宗教という概念がまずわからなかった。
「わからない。リンの言うことは、俺にはさっぱりわからない。何がわからないのかすら、わからない」
そう呟きながら、ショーンは像の顔の側で右の手のひらを前に向け、親指と人差し指を輪のように形作っている奇妙な仕草を真似して見た。
その様子を見たリンが、クスッと笑う。
「知らないことを知らない、と認識できるのは悪いことじゃない。それが気づきの原点になると思うからね。僕も、宗教の概念はさっぱり理解できていないけど、それぞれの人間の生き方、考え方の指標というか、指針になるものだと思ってる……って認識で合ってる?」
アンディは語尾を疑問形にして、ちらっと助手席のリンへ視線を投げかけた。
「あたしに聞かないでよ。そんなの知らなくても拳法の修練はできるし。師匠の言う『見るんじゃない、感じる』ってやつでね」
「ははっ、まあ、どっちにしても僕には未知の領域だな」
こうした二人のやりとりは、道中で何度も目にしたが、少なくともショーンの今までの人生では経験したことのない会話だった。話されていることの内容もそうだが、人がこんなに穏やかに話し合うものだとは考えたことがなかった。
集落のゲートが近づいて来ると、アンディはショーンに言った。
「そろそろゲートだ。シートに座って、できるだけ目立たないように」
そう言われて、ショーンは慌ててシートに座り直し、頭を低くする。
ゲートは物々しい大きな門扉と金網を組み合わせて設えられていた。ゲートの脇には簡易的な監視詰所も併設され、集落全体はところどころ穴はあるものの、賊徒の侵入を防ぐための金網や鉄条網で覆われていた。
ゲートからは集落内に二つの物見櫓が見えたが、その内のひとつは損傷が酷く、梯子も途中から折れていて人もおらず、使われていないようだった。
アンディがゲートの近くにバギーを停車させると、他のクルマも停止した。アンディはバギーから飛び降りると、ゲート脇の監視詰所に歩いて行った。
窓口からぬっと男が顔を出し、言った。
「ご苦労さん、通行証を見せてくれ」
言われた通りアンディは胸のポケットから集落への通行証を提示すると、監視員はスキャン用の機械を通行証へかざす。ピッ、と言う認証の音がして、詰所の中にあるディスプレイに行商の所属識別コードや主な取り扱い品目、有効期限や往来の記録などの情報が表示された。この一連の仕組みはアンディが構築し、作成したものだった。
監視の男はゲートの開閉レバーを操作しながらアンディに話しかけた。
「みんなあんたらが来るのを心待ちにしてたんだ。物資の質もそうだが、来てくれる行商人の数が減っちまったんでな」
「賊徒も脅威だけど……最近、ドローンの様子に少し変化があるようなんだ。ジャミングのパルスが効かないのがいるって言う噂も聞いている」
「おおっ、怖ッ」
取り止めのない会話の中、ゲートが重く軋んだ音を発しながらゆっくりと開いて行く。ゲートが完全に開いたのを確認して、アンディたちはクルマを集落の中へと進めて行った。
集落に入るとすぐに瓦礫がキレイに取り除かれた場所がある。クルマを持っている行商はここを駐車場兼商品の売り場にしていた。クルマは野晒しにはなるが、集落の奥にはこうしたスペースがないためだ。
そこには既に集落の長や住民が集まって来ており、行商団を出迎えた。リンとゴローがバギーから飛び降りると、トレーラーの方へ向かって他のメンバーと荷下ろしの準備を行い始めた。アンディはショーンにバギーにいるよう声をかけてから、集落の長の元へ向かった。
バギーの中に身を潜めつつ、ショーンはリンやゴローたちの荷下ろし作業をつぶさに見つめていた。お互いに声を掛け合い、協力して仕事をする光景は、自分がお頭の下で働いていた様子とは明らかに違っていた。
怒声で命令し、自分では動かないお頭。その命令を兄貴分たちがショーンのような下っ端にさらに下す。上手くやっても褒められることは滅多になく、失敗やミスがあると容赦なく罵声を浴びせられ、その後は決まってぶん殴られた。
リンやゴローは各自に指示を出しつつも、自分たちも忙しそうに貨物の点検や目録とのつき合わせなどを行い、あちこち行ったり来たりしている。指示を受けたメンバーが作業を終えると『お疲れ様』とか『ありがとう』と言う耳慣れない労いの言葉をかけていたことが、ショーンの目にはとても奇異に映っていた。
トレーラーから降ろされ、積み上がって行く貨物が想像以上の量だったことにも驚いた。大きなトレーラーだとは思っていたが、見た目以上に多くの貨物を積み込んでおり、それがメンバーによって次々と荷下ろしされ、開封されて行く。
ショーンにとっては、その何もかもがとても不思議な光景に見えていた。
ショーンはアンディの姿を探して見た。彼は長と人のいないところで、小声で話し合っていた。内容は聞き取れないが、恐らく自分の処遇について話し合っているのだろうとショーンは思った。キレイに巻かれた肩と太腿の包帯を無意識に触る。サクラと名乗った若い女が傷の手当てをしてくれていた。その感触に気づくと少しだけショーンの不安は和らいだ。
アンディは長に道中のことや他の集落で得た情報、今回の貨物の主要な商品などを話しつつ、ショーンのことをどう伝えて良いものかを考えていた。ただ、黙っておく訳にも行かないので、ひとしきり連絡事項を終えた後、意を決して話を切り出した。
「ひとつ、お願いがあるんですが……」
「何かな? アンディ行商団にはいつも世話になっている。我々にできることなら何でも申し付けてくれ」
「ありがとうございます。ええと……何処から説明すればいいのかな……ここへ来る前に、訳あって地面に倒れていたひとりの男を保護したんですが……その、実は彼は、賊徒の下っ端だったらしく……」
歯切れの悪いアンディの話に『賊徒』と言う単語を耳にするや否や、長の顔がギョッとした驚きで引き攣る。
「ここで面倒を見てくれということではありません。彼は僕たちが連れて行きます。僕たちが滞在している間だけ、集落に置いてやってくれませんか。監視は僕らがしますし、自由にさせることはしません。集落にご迷惑はおかけしないよう努めますので……」
話しを聞きながら、しばらく難しい顔をして長は思案していた。
「う~む。いくら君の頼みとは言え、すぐに『うん』と承諾しかねるな。もう既に中には入って来ているんだろう?」
「……はい。僕のバギーの後部座席に拘束しています」
拘束しているというのは苦しい言い訳ではあったが、全くの嘘ではない。荷下ろし作業中でも、それとなくリンとゴローには目を離さないように言っている。
「ふむ……とは言え、他でもない、アンディ行商団の団長の頼みを無碍にはできんしな……。ここはひとつ、ウェンシィウ師にも意見を伺うというのはどうだろうか?」
ウェンシィウ師は、この集落の精神的支柱である仏教徒の指導者で、仏像の管理も行なっている人物だった。アンディも少なからず面識がある。
「ありがとうございます。荷下ろし作業が済んだら、長にもお声がけしますので、本人を連れて伺いに行きましょう。リンも会いたがるでしょうし」
「わかった。くれぐれも騒ぎは起こさないようにな」
「はい、肝に銘じます」
まだ問題は山積みだが、全く希望がない訳ではない。そう思うといくらか気は楽になった。アンディは荷下ろしの作業を手伝いにトレーラーの方へ戻って行った。
荷解きの作業をしていたゴローが立ち上がり、作業が順調であることを大声で伝えた。
「アンディ、荷下ろしはだいたい終わったからお前の仕事はねえぞ!荷解きも間もなく終わるから、後で一杯やろう」
「ありがとう、ゴロー!」
ゴローは指でOKのサインを指し示して作業に戻った。
リンがアンディに近づいて来て、声をひそめて訊ねた。
「どうだった? 長は何て?」
「……長の一存では決められないから、ウェンシィウ師に意見を仰ぐことになった」
「ウェンに?」
この集落でのご意見番でもあるウェンシィウ師は、リンの実弟だった。
「うん。どうなるかは話して見ないとわからないけど、ショーンを連れて行く」
「あいつがゴチャゴチャ言うなら、あたしがぶっ飛ばしてやるわ」
リンが剣呑なことを言い出したが、弟に再会できるのが嬉しそうな様子だった。
「弟は、大事にしてあげなよ」
アンディは少し悲しげに、ボソッと呟いた。
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