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保育園を出てから、また天野と手を繋ぎ歩いていく。 私が育った町を・・・。 天野と出会い一緒に育った町を・・・。 天野だけじゃなく、家族や沢山の友達との思い出ばかりの町を・・・。 まだまだ治安の悪い町だけど、それでも私はこの町が大好きだった。 相変わらず筋肉隆々の天野の腕を感じながら小さく笑った。 まだ何かと闘えるように、天野は闘う練習を止めない。 あの男は殺したのに・・・。 社会的に殺したし、藤岡副社長がきっと何かをしたらしく、死ぬまで出られない檻のような病室に閉じ込められているらしい。 その報告だけが藤岡副社長からあり、安心するように言ってくれた。 「私が社長でいいのかな? 会社の頭脳は天野なのに・・・。」 「社員だって気付いてないだろ? それに紅葉に隠れてバレないようにイタズラを考えるのが面白いからな!!」 「私を動かしてるのは天野なのにね?」 駅までの道を歩いていると、ついこの前引っ越してきた新居のマンションの前に。 私がその前を通りすぎようとしたら、天野が私の手を引き立ち止まった。 不思議に思い天野を振り返ると・・・。 悪巧みというか、悪ふざけをする時の笑顔で・・・ 「家の前だからな!! やってから会社戻るか!!」 「でも、社長も秘書も不在だし・・・」 「なら戻ってから会社でやるか!!」 天野が何でもない感じで続ける・・・。 「“天の雷”と“天の紅葉”なんて冗談みたいな名前の俺らだからな!! 社員も冗談の通じる奴らばっかりだから、家が近いクライアント先に2人で行った時点で分かってるだろ!!」 そんなことを言って、私の手を優しく引いた・・・。 そして・・・ 「紅葉。」 同じ名字になった天野が私の名前を呼んだ・・・。 稲妻が光り、雷に打たれたような衝撃。 燃えてしまう・・・。 また、燃えてしまう・・・。 燃え続けているのにその炎は消えることはなく、そこにまた燃えていく・・・。 紅葉の木に大きな大きな真っ赤な炎が燃えていく・・・。 顔まで熱くなってきた私、女社長である紅葉を見て、天野が・・・雷が満足そうな顔で笑う。 雷だった・・・。 天野は本当に雷だった・・・。 雷鳴を轟かせ、稲妻を光らせる・・。 私の雷・・・。 「雷・・・。」 「・・・紅葉から名前を呼ばれると威力がありすぎるから、ベッドの上まで待てって!!」 end........
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